ABOUT

山形県庄内地方に工房を構え、木が本来持つ自然な表情を生かした一点物の特別な工芸品を制作しています。伝統的な技法と現代的なアプローチを融合させ、耐久性と美しさを兼ね備えた作品を目指し、時間をかけて一つひとつ手作りしています。


作品の技法について


透漆仕上げ

飴色の半透明な漆で、木材の自然な木目を透かしながらふっくらとした艶のある手触りを加える技法です。漆の強固な塗膜により耐久性が向上し、滑らかな手触りと杢の美しさを引き立てる技法です。


漆影塗(しつかげぬり)

漆影塗は、杢に陰影を加え、奥行きと立体感を生み出す技法です。複数種類の漆を塗り分け、塗布と研磨を繰り返すことで、木目に明暗のコントラストが生まれます。この独自の技法により、木材が持つ自然な表情がさらに際立ちます。現在「漆影塗」という名称は、他に類似する技法が見つからないため、一時的な名称として使用しています。


CAフィニッシュ

CAフィニッシュ(シアノアクリレート加工)は、硬化性樹脂を用いた表面仕上げ技法です。木材を外部環境から保護するだけでなく、クリアー層によるレンズ効果で杢をより立体的に見せ、高い光沢と耐久性を与えます。乾燥による割れや狂いが起きやすい材の保護や縮み杢の奥行きを引き出すために使用しています。


シースルー染色

シースルー染色は、素材の表情を損なうことなく透明感のある色彩を加える技法です。この技法では、染色の濃淡を調整することで自然なグラデーションが生まれ、鮮やかな発色と個性を与えます。


スタビライズドウッド

スタビライズドウッドは、木材に樹脂を浸透させる加工技術です。この技法により湿気や経年変化に強くなり、耐久性が向上します。樹脂を着色することで樹脂が木材の内部に浸透する際、杢が鮮やかに際立ち、個性のある仕上がりになります。強度と美しさを兼ね備えた製品作りには欠かせない技法です。


tatara撥水セラミック

tatara撥水セラミックは、木材の撥水・防汚を目的とした高品質なセラミック塗料です。この塗料は高い浸透性を持ち、木材の繊維深くまで染み込み硬化するため、表面に塗膜を形成するCAフィニッシュや透漆仕上げとは異なり、木肌の自然な質感をそのままに高い撥水性と硬度の強化を実現します。
当工房では浸透後60日から100日間の養生期間を設け、完全硬化後に仕上げの研磨を行い、材の本来の美しさを引き出す艶やかで滑らかな表面を仕上げています。


技法の組み合わせによる多彩な表現

技法を組み合わせることで、それぞれの特徴が相互に補完され、単独では得られない新たな表現を生み出しています。


スタビライズドウッド × CAフィニッシュ

スタビライズドウッドはそのままでも高い強度と発色を有していますが、CAフィニッシュを施すことで、高い光沢と立体感を得ることができます。CAフィニッシュのクリア層は、作品に奥深さと滑らかな手触りを与え、長期間美しさを保つことができます。


CAフィニッシュ × シースルー染色

シースルー染色で施された鮮やかな色彩をCAフィニッシュで保護し、色移りや劣化を防ぎます。透明な層が染色部分を覆うことで、奥行き感が加わり、製品にさらなる視覚的な魅力を与えます。


漆影塗 × シースルー染色

漆影塗で加えられた漆黒の明暗に、シースルー染色の鮮やかな発色が組み合わさることで、深い陰影と鮮やかさが調和した仕上がりになります。この組み合わせにより、木材に独特の表情と奥行きが生まれます。



これらの技法の組み合わせは、素材の自然な特徴を最大限に引き出し、作品の美しさと耐久性を向上させるための重要な要素です。それぞれの組み合わせは、製品の用途やデザインに応じて適切に選ばれ、長く使える実用性と見た目の美しさを両立した作品を提供します。


最後に

当工房は、素材の特性を活かし、日常を彩る作品を丁寧に手作りしています。各作品は独自の個性を持ち、世界に一つだけの特別な存在としてお楽しみいただけます。木材の自然な魅力を大切にし、長く愛される製品作りを心掛けています。私たちの作品が、皆様の日常に心地よさや特別なひとときをもたらすことを願っています。